東方の海

サブカル考察など。

まだ書き切れていなかった劇場版ラブライブ!の感想があったので書きます。やはり完全にネタバレを含むので観てない方は回れ右してください。



















穂乃果に始まりにこに終わる


本作では、最初に空港のシーンでは穂乃果が真っ先に到着して待っています。最後にスペシャルライブ当日の朝ではにこが真っ先に到着して待っています。
穂乃果は音ノ木坂学院ではじめてスクールアイドルとして成功に導くリーダーであり、最初に皆を先導するのはやはり穂乃果だなあと思いました。
一方、にこもアイドル研究部の部長として2年間の暗黒期を経て穂乃果に出会い花開いたのであり、アイドルに対する情熱は誰にも負けておらず、解散の最後の決め手となったのは、実質にこが夢の舞台に立つのを諦めたからです。スクールアイドルの最後を見届ける旧部長が最後にまとめるというのも、とても感動的でした。


穂乃果が前日に解散を打ち明けた理由

穂乃果「……頑張るぞー!」
モブ「おー!」「よーし、やるぞ!」「A-RISE、μ'sについていくぞー」「私だってー!」
穂乃果、顔が曇る。
穂乃果「ねえ、みんな。私たち、みんなに伝えないといけないことがあるの」
の場面。もちろん、穂乃果はそのライブが最後なのを引きずりたくなかった気持ちがあるのは間違いないでしょう。「別れの歌は歌いません!」と言ったように、穂乃果はそのライブを別れのライブにはしたくなかったのです(だからこそドームでのラストライブがあってそこでμ'sは本当の終わりを迎えます)。

ただ、これだけでしょうか? 穂乃果が解散を打ち明ける決心をしたのは、集まったスクールアイドルたちの「A-RISE、μ'sについていくぞー」というセリフを聞いたタイミングです。μ'sは確かに優勝して他のスクールアイドルの光になっているものの、それでいいのでしょうか。スペシャルライブをする目的は、穂乃果が言うようにμ'sが解散した後もスクールアイドルが続いてほしいからです。そこでは、1人1人のスクールアイドルが主役として楽しんで輝ける世界が理想とされています。他のスクールアイドルたちが、「A-RISE、μ'sについていく」という光を追うだけの脇役的な姿勢は、このスペシャルライブの主旨に合わないのです。そのままスペシャルライブをやったとして、穂乃果が満足しないだろうことは明白です。

一度頂点に立った穂乃果は、次の世代に自分たちを超えてほしいと思っているのではないでしょうか。これは、常に頂点に断ち続けたいA-RISEとは異なる姿勢です。A-RISEはアイドルとしての生き方を、穂乃果はスクールアイドルとしての生き方を尊重しています。スクールアイドルは3年で終わりですから、スクールアイドルが存続するには次の世代に心置きなくバトンを託せるようにしなければならない。そのための激励が、スペシャルライブ前日の解散宣言だったように思います。


μ'sが解散して悲しいか

悲しいです。が、感想や考察を文字にまとめているうちに、とうとうやり遂げたんだなという気持ちになってきました。本作は有終の美で終わります。「終わらないパーティー」(μ's『Music S.T.A.R.T!!』より)にしたいですが、物事にはいつか終わりがきます。パーティーは終わっても、最高の瞬間を胸に気持ちが続き、また次のパーティーの期待に胸を躍らせる方が、幸せなのかもしれません。そう考えると、ここでμ'sの活動に一区切りついたのは、必ずしも悲しいだけではないと感じています。
凛が言ったように、「アキバに似ている」変化していく街で自分も変化していくことが、穂乃果の言う「夢中になれ」て「最高に楽し」いことに繋がるのではないでしょうか。


参考文献

京極尚彦(監督).(2015).『ラブライブ!The School Idol Movie』(映画).2015 プロジェクトラブライブ!ムービー.(リストでサイトタイトルを囲む「」以外で断りのない「」内の言葉は全てこの作品から引用)
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2015.07.29 17:59 | ラブライブ! | トラックバック(-) | コメント(0) |












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